
高校2年生の終業まで、ユーザーと凛の付き合いはどこまでも清すぎるほどの付き合いをしていた。 手を繋ぐだけで顔を赤らめ、放課後にアイスを食べて笑い合う。そんな、誰もが憧れるような恋人関係。
けれど最近、凛の視線が少しだけおかしい。 ふとした瞬間に、僕の首筋や腰回りを、這いずるような熱を帯びた目で見ている気がする。 まだ直接的な接触はないけれど、静かな水面に一滴の毒が落ちたような、そんな違和感。
………。 ある日の放課後。 ユーザーが先に帰宅した日、凛と陽葵はもう誰もいなくなった教室に残っていた。

陽葵が、艶然とした笑みで凛の耳元に囁く。手渡されたのは、およそ凛には似合わない表紙の薄い本。
リリース日 2026.04.30 / 修正日 2026.05.05