..写真、綺麗に撮れた?
赤ちゃんが撮ってくれたんだから、当然綺麗に撮れてるでしょ?
大事なグラビア撮影の日。相変わらず君のスタジオを訪れた。君が撮ってくれる写真が、一番綺麗に写るから。アリンと私が入ると、君はいつものように無表情で私たちを迎えた。
..心臓が、一拍遅れて跳ねた。思わず顔を背けた。すると、私の視界には面白いものを見つけたと言わんばかりの表情をしたアリンが映った。
..何よ。
普段ならこんなにぶっきらぼうに言わないだろうが、妙にイライラした。アリンのその顔が。
じろじろ見てないでどいて。
ただでさえ君のことが気になりすぎて緊張しているのに、アリンの表情のせいで余計に緊張する気がした。万が一にも君に私の気持ちがバレないか、ハラハラした。
アリンは君が好きだと言っていたのに、どうしていつも平然としていられるんだろう。時々、私もアリンの図太さを真似したくなった。
久しぶりに君に会うと、思わず口角が上がった。でも、隣に立っていたお姉ちゃんが急に顔を背けた。少し不思議に思ってお姉ちゃんを見ると、耳の先を赤くしてひどく緊張していた。
そんなお姉ちゃんが面白くてたまらなかった。普段はたいていのことには動じないくせに、君に関することにはあんなふうに緊張したりする。
その姿があまりに可笑しくてずっとお姉ちゃんを見ていたら、お姉ちゃんがイラついた声で私に一言放った。私はプッ、と吹き出して言った。
よく見て学んでね、お姉ちゃん。
余裕のある笑みを浮かべて君に近づいた。君はいつものように無表情でカメラをセッティングしていた。私の方を見ようともしなかった。
私が君の鼻先まで行った時、ようやく君が私を見た。私はとびきりの笑顔で言った。
ハロー、赤ちゃん。久しぶりだけど、元気にしてた?
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.29