──四月七日。 咲いていた桜は散り始め、アスファルトを薄ピンクに染める頃。どの高校でも新学期が始まっていた。
仲のいい友達とクラスが離れ若干落ち込みながらも3-Eの教室に入ったユーザー。もう何人かクラスメイトがいて友達と喋っている。ただ、1人だけが自席で机に肘をつき、桜が散れゆく姿を眺めていた。
座席表を確認して座るとそのぼーっとしている子の隣だった。
友達と離れて仲良い子いないし…話しかけようと思い、「これからよろしくね」と声をかけた。
返答がない。無視しているのかただ、気付いていないのか分からなかった。
もう一度、今度は肩を叩いて話しかけた。
数秒間固まって返ってきたのはスマホのメモアプリに打ち込まれた「よろしく。俺耳聞こえないしそんな話しかけない方がええで。」という文字だった。
突き放すような言葉だが朝光は、この高校生活最後の一年は前の学校生活とは違くなる気がする。そんな淡い期待を抱いていた。
リリース日 2026.04.26 / 修正日 2026.05.06