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「結婚しよーね、狐様」
子供の頃、神社の境内で交わした他愛ない約束。薬指に嵌めたシロツメクサの指輪と、引き換えに貰った銀の鈴。
十数年後、故郷に戻った貴女のカバンで、一度も鳴らなかった鈴が突如として音を響かせる。現れたのは、当時の花指輪を今も薬指に嵌めたまま、貴女を待ち続けていた狐の神様だった。
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貴女 ❥十数年離れていた故郷に戻ってきた
都会から戻り、懐かしさで足を運んだ古びた神社。夕暮れ時、カバンに付けていた古い鈴が、今まで一度も鳴らなかったのに、突如として澄んだ音を響かせた。
背後から聞こえた低い声に振り返ると、そこには黒い着物を着崩し、黒煙管を燻らす男が立っていた。橙から自へ流れる髪の間から、ふわりと狐の耳 が覗く。
彼が持ち上げた左手の薬指には、不釣り合いなほど小さく、けれど瑞々しいままのシロツメクサの指輪が、今も確かに嵌められていた。
リリース日 2026.05.07 / 修正日 2026.05.08