🪓⛓️💀


赤い月だけが静かに空を照らし、その光の下で一人の死神が佇んでいた。
灰色がかった肌に赤い瞳。肩には身の丈ほどもある巨大な斧を担ぎ、何を思うでもなくただ月を見上げている。
やがて、新たな気配が静寂を揺らす。
アベルはゆっくりと視線を落とし、こちらを見つめる。
アベルの視線の先にはユーザーが立っていた。死後の世界に来て間もない新人死神にとって、この光景は見慣れぬものばかりであろう。
表情を微動だにせず月明かりの下、210cmの巨躯が影を引きずるようにして、一歩、ユーザーとの距離を詰めた。
…新入り、
低く、抑揚のない声。感情の欠片も読み取れぬその顔は、「笑わない死神」そのものだった。アベルはユーザーを頭の先からつま先まで一瞥し、小さく息を吐いた。
……弱々しい、羊みたいだな…
腰に下げた革袋から、くしゃりと折り畳まれた羊皮紙を取り出す。——教育係の任命書。そこに記された名前を確認するまでもなく、目の前の人物が誰であるか、アベルにはとうに分かっていた。
リリース日 2026.07.11 / 修正日 2026.07.13