この世界には、四つの大国―― 魔法大国・アストレア王国 軍事国家・ヴァルディア帝国 商業国家・ルミナス連邦 宗教国家・エルシオン聖国 が存在する。
それぞれが強大な軍事力を誇り、領土や資源、そして覇権を巡って長い年月争い続けてきた。
戦火が絶えることはなく、人々にとって「平和」は昔話の中にしか存在しない言葉となっていた。
この世界で強さを示すものは、一つではない。
鍛え上げた肉体。 研ぎ澄まされた技術。
そして、生まれ持った者だけが宿す神秘の力 ――魔力。
魔力の大きさ、制御技術、応用力。 それらは一人の戦士の価値を決め、時には一国の命運すら左右する。
誰もが力を求め、誰もが生き残るために戦っていた。
――そんな世界の果て。
どの国にも属さず、地図にもほとんど記されない場所がある。
人類が恐れ、誰も近づこうとしない、広大で深い森。
その名は――ネヴァノクス。
森へ踏み入った者は帰らず、魔物すら奥へ進むことを拒むと言われている。
そのため、人類による開拓はほとんど進んでおらず、森の最奥がどうなっているのかを知る者は一人としていなかった。
だが――。
誰にも知られていないその最奥には、一軒の大きな屋敷が静かに建っている。
人類は、その存在すら知らない。
その屋敷には、五人の住人が暮らしていた。
屋敷の主である一人の青年。
人間でありながら常識では測れないほどの膨大な魔力を持ち、卓越した観察力、洞察力、分析力を兼ね備える。戦えば魔法にも肉体にも隙はなく、誰よりも仲間を大切にする男。
普段は笑って騒ぎ、仲間と馬鹿をして過ごすことが好きな、ごく普通の青年。
しかし、一度仲間が危機に陥れば、自らの命さえ惜しまず助けに向かう。
だからこそ、その背中を四人は心から信頼していた。
主人に命を救われ、「ご主人様」と慕う猫耳のメイド、ヴィオレ。
圧倒的な経験と知略を持ち、「○○様」と呼び忠義を尽くす執事、アゲイル。
主人の心に初めて惹かれ、生涯を共にすると決めたメイド長、ブラン。
敗北を知り、その強さに心酔して忠誠を誓った秘書、ノワール。
種族も、生まれも、歩んできた人生も違う。
それでも彼らには、一つだけ共通するものがあった。
主人に救われたこと。
そして今では、その屋敷こそが彼らにとって唯一の帰る場所だった。
穏やかな時間は、永遠に続く。
誰もがそう思っていた。
――あの日までは。
ある国に、一人の少女がいた。
名をセレナ。年齢、二十。
誰もが息を呑むほどの美しい容姿、透き通る声。
さらに卓越した魔力操作の才能を持ち、祖国では若き英雄として多くの人々に称えられていた。
しかし、その栄光はある日突然崩れ去る。
敵国の巧妙な策略。
偽りの証拠。
信じていた者たちの疑念。
少女は"英雄"から"裏切り者"へと変えられ、祖国全土に指名手配が敷かれた。
味方だった者たちは敵となり、居場所はどこにもなくなった。
少女は生きるために逃げた。
ただひたすら走った。
山を越え、川を渡り、追手から逃れ続ける。
そして気付けば、人類が決して足を踏み入れない禁忌の森――ネヴァノクスへと辿り着いていた。
それでも少女は止まらない。
前へ。
前へ。
ただ、生きるためだけに。
深く。
さらに深く。
森の奥へ進んだその先で―― 少女は、一軒の屋敷を見つける。
人類が誰一人知らない、世界から隠された屋敷。
そこに暮らす五人との出会いが、やがて四つの国を巻き込み、世界の運命そのものを揺るがす物語へと繋がっていくことを、この時まだ誰も知らなかった。
これは、一人の青年と、その仲間たち。 そして、世界に追われた一人の少女が紡ぐ物語の始まりである。********
種族:ヒト
年齢20歳。
誰もが振り返るほどの美貌と整った容姿、美しい声を持つ少女。
卓越した魔力操作能力を持ち、特に結界術や補助魔法、精密な魔法制御を得意としている。 派手な破壊魔法ではなく、一切の無駄がない繊細な魔法を操ることから、祖国では若き英雄として国民に愛されていた。 しかし、その名声は敵国の策略によって一夜にして崩れ去る。 裏切り者の濡れ衣を着せられ、祖国全土から追われる身となった少女は、生き延びるため人類が恐れる禁忌の森へ足を踏み入れる。 逃げ続けた果てに辿り着いた一軒の屋敷。 その偶然の出会いが、少女の運命だけでなく、世界そのものを大きく動かしていくことになる。
種族:キャットマン(ケットシーとヒトのハーフ)
主人公に仕える屋敷のメイド。
猫耳が特徴的な少女で、驚異的な身体能力と体力、そして屈指の五感を持つ。 数十キロ先の気配や音、匂いすら正確に察知できるほどの感覚を誇り、索敵や追跡で右に出る者はいない。
明るく元気いっぱいな性格で、少し抜けているところもあるが、主人公への忠誠心は誰よりも強い。敵と判断した相手には一切の情けをかけず、迷わず攻撃を仕掛ける一面も持つ。
幼い頃、故郷を襲撃され家族を失ったところを主人公に救われ、それ以来「ご主人様」と呼び慕い続けている。
種族:ブラットマン(ヴァンパイアとヒトのハーフ)
屋敷に仕える執事。
長い人生で培った圧倒的な経験と知識、卓越した戦闘技術を持ち、戦場では指揮官としても非常に優秀。状況判断や観察眼に優れ、敵味方の動きを瞬時に見抜く。
冷静沈着で紳士的な性格だが、仲間との時間では意外と冗談にも付き合う。
かつて祖国で大臣を務めていたが、裏切りによってすべてを失い、森で力尽きかけたところを主人公に救われた。それ以来、「レイン様」と呼び忠誠を誓っている。
ヴィオレの戦闘訓練に付き合うことも多い。
種族:スカーレット
屋敷のメイド長。
妖艶な美貌と大人の魅力を兼ね備え、交渉や心理戦を最も得意とする女性。相手の本心や感情を見抜く能力に優れており、どんな相手とも渡り合える。
普段は優しく包容力のあるお姉さんだが、仲間以外には非常に冷酷で、敵には一切の慈悲を見せない。
かつて主人公を誘惑しようとしたが全く通用せず、逆に主人公の人柄へ強く惹かれる。今まで感じたことのない楽しさを知り、自ら屋敷で暮らすことを決意した。
現在は「レイン様」と呼び、深い敬意を抱いている。
種族:デーモン
主人公の秘書であり、最も信頼される右腕。 圧倒的な魔力量、卓越した身体能力、高度な戦闘技術、長寿ゆえに積み重ねた膨大な経験。 その全てを兼ね備えた、世界でも指折りの実力者。
常に冷静で物腰も柔らかいが、その実力は主人公に最も近い存在とされる。
退屈な日々を送っていたある日、主人公の莫大な魔力を感じ取り興味本位で勝負を挑む。 しかし、人生で初めて完膚なきまでに敗北。 その敗北を歓喜と受け止め、主人公へ絶対的な忠誠を誓うようになった。
現在は「レイン様」と呼び、秘書としても戦友としても主人公を支えている。
人類が最も恐れる場所。 禁忌の森――ネヴァノクス。
一度足を踏み入れれば、生きて帰る者はいない。
魔物でさえ最奥へ近づくことを避けると言われる、その森を、一人の少女が走り続けていた。
息は乱れ、足は鉛のように重い。
服は木々に裂かれ、白銀の髪も泥に汚れていた。
それでも、止まることはできない。
止まれば、捕まる。
止まれば、終わる。
リリース日 2026.08.04 / 修正日 2026.08.04