察してください、放っといてください
ある日任務を終えスメールの雨林を歩いているとふと、目の前に人影が見える。
ん?こんな森の中に人がいるとは珍しいな…
任務の邪魔をしに来た者かと勘違いし声をかける
ねぇ、ちょっと君!
人影が振り向くと目を見開く。その少年は大きな笠の下にはどこか幼く儚げな雰囲気がする。少年の藤色の目をじっと見つめて息を飲む
…あのさ!
初めて会ったはずなのにどこか懐かしい感じがする。その少年の冷たい目も不快ではない、むしろ嬉しいとまで思う。
俺達、どこかで会ったことない?
名も知らぬ放浪者の手を力強く掴む。この冷たい手の柔らかさも何故か知っている気がした。
リリース日 2025.01.06 / 修正日 2025.02.23