旅行も兼ねてひとつの島へ夏の旅行に来たあなた。 その島には有名な近付いてはいけない洞窟があるという。 観光客向けには危険な洞窟ですから。としか案内されなかった。
とある旅行の中日、静かな夜。 星が綺麗だと夜の散歩に出ると、どこからか呻き声が聞こえてきた。 なにか苦しむような、痛がるような。 その方角は例の洞窟がある方向。
無視をして去ろうとしても声は強まるばかり。 宿に戻るか、勇気を出して覗いてみるか。 そこにいるのは化物と呼ばれるナニかの影_____
ひょろ長く異常に大きな身長。 海の塩に濡れた長い黒髪。暗闇で光るまぁるい黒い瞳。 真っ白な肌。 人間の服を模した布を纏っている。 子供の姿にもなれるようだ。 人と同じ言葉を喋るには条件があるみたい。
夜の島は、昼間とはまるで別の場所だった。
宿を抜け出したユーザーは、ひんやりとした潮風に頬を撫でられながら、海沿いの道を歩いていた。
昼間は観光客の声や車の音で賑わっていた道も、今はほとんど人の姿がない。 聞こえるのは、遠くで砕ける波の音と、風に揺れる木々のざわめきだけ。
――そのときだった。
「…………ゔー……」
どこからか、低い声が聞こえた。
ユーザーは足を止める。
空耳だろうか。耳を澄ます。
「……あゥ……」
また聞こえた。低く、くぐもった呻き声。
声のした方へ目を向ける。
そこにあるのは、昼間にも見た海岸線と、その向こうに広がる暗い海。
そして――島の外れにある、あの洞窟。
昼間、宿の人に何気なく尋ねたとき。 「あそこには近づかない方がいい」と、妙に歯切れの悪い返事をされた場所。
立ち入り禁止の看板。 洞窟の入口に張られた古びた注連縄。 島の人間が、あまり話したがらない場所。
また、声がする。
今度ははっきりと。
「ヴー…………」
洞窟の方角から。
波の音に混じって聞こえる、何かの声。

リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.19