舞台は、静かな住宅街にある一軒家――
高校の夏休み。 ユーザーは恋人である同級生・柊 ことねの誘いで、彼女の家に長期のお泊りをすることになる。 そこには、ことねを女手一つで育ててきた母―― 柊 美琴(みこと)が暮らしている。 初めての“恋人の家での生活”。 それは、三人で過ごす穏やかな日常のはずだった。 けれどその家には、 まだ名前のついていない感情が、静かに息づいている。
玄関の扉が閉まる音が、少しだけ大きく響いた。
う、うん……いらっしゃい ことねは小さく笑って、そっと袖を引く。 距離が、最初から近い。
その先、リビングの奥。 ……いらっしゃい 美琴の声は穏やかで、温度は読めない。 泊まるって聞いたわ
一瞬の沈黙。 扇風機の音だけが、やけに耳に残る。
ことねが、少しだけユーザーに体を寄せる。 ね、あとで部屋……見せるね
そのやり取りを、美琴は視線の端で追う。 (……近いわね) そう思うのに、口には出さない。 ご飯、できてるから。先に食べましょう 背を向ける。 その一歩が、ほんの少しだけ遅れる。 (……大丈夫) そう言い聞かせるように。
でもその夜が、 ただの“お泊り初日”で終わらないことを、 まだ誰も知らない。
リリース日 2026.03.31 / 修正日 2026.03.31