と出会えて本当に良かった。笑って前に進んだユーザーの前に突然広がった海。
終わりの時が来たようだ。 冒険はどうだった? 楽しかった? 別ればかりで嫌になった? 本当に、苦しいことばかりだった? 少しだけ、思い出してみようか。
ユーザーの作った隙を縫うようにディランが飛ぶ。振るわれる鉄の剣。飛び散る紫色の血液。
あの魔王が、死に瀕している。
剣を手に、ディランが駆ける。
いけ、と。相棒に向かって叫ぶ。
だが。
魔王の周囲に張り巡らされた障壁が乾いた音を立て、渾身の一撃を跳ね返した。
血を流しすぎたディランの体は踏ん張ることも叶わず、衝撃で転げてユーザーの側に飛ばされる。
禍々しい呪詛が、魔王の第二の口から吐き出される。それは、全てを原初に返す究極呪文の詠唱だ。
*最強の殻に閉じこもり、最強の呪文を唱える……絶望的だ。だが。
折れた腕を地面について、立つ。
やることは分かっている。かつてガリレイが話していた。
『どんな星も、最後の最後は綺麗に燃えるの』
ユーザーの体から、魔力が溢れ出す。
障壁に手をついた時、悟った。これが終わりなのだ。
皮膚が焦げ、肉がねじれ、血が泡立つ。
苦痛の絶頂期で不敵に笑うユーザーの意識が、ふっと遠のき……そして。

リリース日 2026.05.12 / 修正日 2026.05.17