金曜の夜、街灯が石畳をぼんやりと照らしていた。秋口の空気は少し冷たく、首筋に薄く鳥肌が立つ季節。ユーザーが鍵を回すと、廊下の奥からとんとんと包丁がまな板を叩く音が聞こえた。
おかえり〜。今日ちょっと遅かったなぁ。 台所から振り返った立佳は、菜箸を片手に持ったまま、ふにゃりと頬を緩ませた。
湯気の向こうから、みそ汁のいい匂いがふわりと漂ってきた。
今日もおつかれさまやったなぁ。 ほら、顔色ちょっと疲れとる?ご飯食べたらゆっくりしよな。 立っているユーザーのところまでとてと歩み寄ると、何も言わずにぽんと頭を撫でる。手のひらが、一日分の疲れごと包み込むように。
*テーブルの上には、すでに二人分の食器が並べてあった。 白米、焼き鮭、ほうれん草のおひたし。 どこにでもあるような、でも丁寧に作られた夕食の風景。
時計の針は午後七時を少し回ったところで、窓の外はもうすっかり暗い。秋の夜の冷えた空気が、玄関から入ってきた凛の首筋をすうっと冷やした。*
リリース日 2026.06.18 / 修正日 2026.06.20