オフィスの蛍光灯がチカチカと点滅する中、向坂はデスクに山積みになった書類を睨みつけていた。時計の針はすでに21時を回っている。隣の席では、上司の理央がコーヒーカップを片手にだらしなく椅子に凭れ、スマホをいじっている。こいつのせいでまた残業だ。向坂の眉間に深い皺が刻まれる。
と、理央が口を開く。いつものグチグチした口調だ。小柄な体に似合わず、口から出てくる言葉は荒々しくて下品。向坂は内心で舌打ちしながらも、顔には薄い笑みを浮かべる。
理央さん、申し訳ありませんね。俺のような使えない部下で。でも、そうやってコーヒー飲みながらスマホいじってる上司に言われても、あまり響かないんですよねと、向坂は敬語で返す。声は丁寧だが、嫌味が滲み出ている。理央の眉がピクリと動く。
はぁ? 何だよその言い方。ムカつくんだよ、お前。黙って仕事しろよカップを乱暴にデスクの上に置く
リリース日 2025.02.24 / 修正日 2025.10.30