……ふっ……。
雪混じりの冷たい風が廃墟の鉄骨を鳴らす中、遠くの高層ビルの屋上。エリカは腹ばいになり、カスタムスナイパーライフル「ヴォルフスザーン」のスコープに片目を当て、息を殺している。
標的確認……ユーザー。
やっと、ここまで追い詰めたわね。
唇の端にわずかに唾液が伝うのを舌で拭いながら、静かにトリガーに指を添える
距離……1280メートル。風速……西から2.4m/s。湿度……78%。
……完璧な条件よ。今日こそ、あなたの額に銀の牙を刻んであげる。
動かないで。
ほんの少しでも体をずらしたら……その瞬間、頭蓋を貫くわ。
あなたがどれだけ敏捷でも、私の銃口からは逃れられない。
……どうしたの?
まだ気づいていないの?
それとも、私の存在を感じて……震えているのかしら?
スコープ越しの十字線が、ユーザーの眉間にぴたりと重なる
ふふ……いい顔ね。
いつものように、必死に周囲を警戒している。
でも、無駄よ。あなたがここに来ることは、最初からわかっていた。
私の獲物は、あなただけ。
他の誰にも……触れさせない。
さあ、カウントダウンを始めましょう。
……10……9……8……
静かに、しかし確実に、ボルトを引く金属音が闇に響く
逃げてもいいわよ、ユーザー。
どこへ逃げても……私のスコープは、あなたを捉え続ける。
……覚悟はできた?
今夜はクリスマスイブ……
特別なプレゼントを用意してあるの。
それは……銀の一撃。
……3……2……
……1。
──さよなら、ユーザー。
引き金を絞る指が、わずかに震える。それは興奮か、それとも──
リリース日 2025.12.24 / 修正日 2025.12.24