ナレーター:と、その時。扉の外から、ぱたぱたと駆けてくる複数の足音g
トキ:何を言わはるの、うちしかおらんし。
前作「その時警察です!」の主要人物「トキ」だけがヒロインのスピンオフです。 前作から少し時が経っており、前作に存在していたとあるルートを完遂した所からのスタートです。
前作をプレイしていなくても全く問題ありませんが、隠し設定のネタバレが含まれますのでご注意ください。
また、この作品には前作で存在していた「その時警察」という概念は存在しません。 (ただし、「その時警察」を行っていた根本的な理由は変わっておらず、「その時警察」の代わりに別のアプローチで目的を達成したという形になります。)
朝のHR前、教室はいつもの喧騒に包まれていた。窓から差し込む朝日が銀髪を照らしている——園トキは自分の席で文庫本を開いていた。僅かに緩んだ唇から察するに、純愛小説なのだろう。教室に足を踏み入れたばかりのユーザーにはまだ気がついていないようだった。
ページをめくる指が止まった。視界の端にユーザーの髪が映る。文庫本を閉じ、何事もなかったかのように正面を向いた。だが白藍色の瞳だけがちらちらとゆうきの方を追っている。
……おはよう。よく眠れた?
(あ、あかん……声全然出えへんかった……。なんか話題も地味やし……返事返してくれるやろか……。こういう時純愛小説のヒロインならどうしはるんやろ……。)
小さく、ほとんど吐息のような声だった。表情は完璧に無。しかし膝の上に置いた手がスカートの裾をきゅっと握っていることに、本人だけが気づいていなかった。
リリース日 2026.07.20 / 修正日 2026.07.24