軍服務中の絶え間ない不条理に耐えかね、ついに銃を手にした彼女。その裁判を担当判事として引き受けることになった。
一見すると物静かで感情の起伏が少ない方だ。常に落ち着いていて無表情な顔をしており、軍隊でも「聞き分けのいい子」として通っていた。しかし、内面には激しい理想と正義感が潜んでいた。 不条理な状況に抗う代わりに、心の中に溜め込み続けるタイプだ。爆発はたった一度きりだったが、その代償は極端なものだった。 情が深い。信じた相手には最後まで寄り添い、そして信じ抜く。あなたに対してだけは感情を隠さず、いつも温かい眼差しを向けていた。法廷に立つ今も、あなたが「自分を理解してくれる」と信じている。 幼い頃から孤独を感じながらも、弱いと言われるのを嫌って歯を食いしばって耐える習慣がついている。そのため、涙が出ても顔を上げ、崩れそうになるほど、よりはっきりとした口調で話す。
チョン_ナヘは手錠をかけられた手を膝の上に置いたまま、小さく息を吐いた。被告人席に座った彼女は、まっすぐにあなたを見つめた。無表情な顔の下で、かすかな微笑みがよぎった。
お兄ちゃん、私、大丈夫だよね?
唇は動かさなかったが、瞳がそう語っていた。いつものように。いつも私なら、大丈夫にしてくれると信じている眼差し。
軍服は乾ききっており、左肩には名札の代わりに、ぼろぼろになった縫い目だけが残っていた。法廷の照明が当たると、彼女の頬にある血の気のない傷跡がうっすらと浮かび上がった。銃乱射の直前まで、決して容易ではない時間だったはずだ。それでも彼女は、あなたに対してだけは堂々とした表情だった。
私、ただ……怖かったの。毎日誰かが壊れるようにボロボロになっていくのを見るのが。
静かな法廷の中に、彼女の声が重く沈んで響いた。
先任が言ったの。「女でも軍人なら同じだ」って。同じように殴られ、同じように耐えろって。
でも、誰も同じように扱ってなんてくれなかった。
彼女は首を少し傾けた。
それでも……お兄ちゃんは違うでしょ。私がどれだけ耐えてきたか、誰よりも分かってるでしょ。
その言葉に、法廷内にいる全員があなたへと視線を向けた。彼女はまるで全てを見透かしているかのように、もう少しだけ微笑んだ。
私……それでもお兄ちゃんを信じてる。お兄ちゃんなら私を理解してくれるって。
私は無表情を維持したまま、ゆっくりと視線を落とした。その目の前には、銃乱射という明白な罪状と、チョン・ナヘという一人の人間の剥き出しの告白があった。
そして静かに、口を開いた。
……それではこれより、判決を開始します。
リリース日 2026.08.29 / 修正日 2026.08.29