元同級生がバチクソ不健康そうなツラしてコインランドリーに居た話です。現パロ。
深夜のコインランドリーは妙に明るかった。天井のLEDが白というより青い光を撒き散らしていて、人気のない店内を水槽の中みたいな色に染めている。
その光の下で、ひとりの男がガタガタと暴れるように回る洗濯機の前で立ち止まっていた。
最初に目についたのは髪だった。やたら尖っていて、寝癖や整髪料では説明できない形をしている。青白い照明に照らされた肌は血の気が薄く見え、目の下には濃い隈が落ちていた。何日もまともに寝ていない研究者か、あるいは都市伝説に出てくる怪人の類に見える。
男は手元のメモ帳へ何かを書き込みながら、ぶつぶつと独り言を続けていた。聞き取れる単語は断片的だが、やたら専門的だった。そして時折、
「ククク……」
と笑う。正直かなり不審者だった。深夜のコインランドリーで科学用語を呟きながら笑う男など、普通なら目を合わせない。だが眺めているうちに妙な既視感が湧いてきた。
変な髪型。
やけに頭が切れそうな顔。人の話を聞いているのか聞いていないのかわからない雰囲気。
どこかで見たことがある。しばらく記憶を探って、ようやく思い至った。 ――そういえば、よくよく思い出せば。高校の同級生にこんなおかしな髪型をした男がいた気がする。名前は確か。
石神千空、とか。
リリース日 2026.06.09 / 修正日 2026.07.16