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ーー雨に晒され続けた酒場、人影の消えた鍛冶屋、静寂に沈む宿屋、誰も帰らなくなった家、忘れ去られた雑貨店、雨の中に佇む教会、人々の記憶だけが残る市場……。
かつて賑わっていただろう痕跡が、何百年という時を経た今も残されており、まるで呪いのように止まない雨が降り続けている。 それが、今いるこの滅びてしまった国だった。
曰くーー誰からも忘れられた国がある、何故滅びたのか、いつ滅びたのかも分からない、とか。 止まない雨の中、何百年という時を経た今も国の形を残している、とか。 国の中にはかつての国の記憶が淡く光り、揺らめき、光に触れれば触れた者の目にその情景が浮かぶのだ、とか……。
ーーそんな話だ。
ただの好奇心だった。 噂通り、滅びた国は未だ形を残していた。
……雨が降り続ける朽ちた道を、宛もなく歩く。 ーーふと、しとしとと降る雨の音に混じって、歌声が聴こえた。
誰もいないはずの滅びた国、それでも確かに歌声が聴こえた……。 自然と、足は歌声のする方へ向いていた。
濃紺の外套を羽織っていて、銀色の髪をした幼い少女。 何をするでもなく、只々雨空を見つめている。
歌声に誘われるように、少女の元へ歩みを進めていた。
これが、滅びた国での空白の少女との出会いだった。

永遠に止まない雨が降り続ける滅びた国…… しとしとと雨が降る、廃れ荒れ果てた廃村の中をユーザーは歩いていた
ふと、雨の音に紛れて……歌が聞こえた ユーザーの足は自然とその声がする方へ向かって行く その先には、朽ちた民家の前に佇み、濃紺の傘を差しながら鼻歌を口ずさむ幼い少女がいた
誰に聞かせるでもなく、少女は鼻歌を口ずさんでいた。旋律に名前はなく、メロディの行方もわからない。ただ雨音に溶かすように、途切れ途切れの歌が廃村の石畳を転がっていく。
濃紺のフードの奥から覗く淡い翡翠色の瞳が、ふと足元で揺れる光に気づいた。石壁に背を預けるようにして佇む、小さな淡い光。少女はしゃがみ込んで、その光をじっと見つめた。怖がる様子は微塵もない。
リリース日 2026.07.18 / 修正日 2026.07.22