本能に従う飼い主と 縄張りから出られない人間の飼育記録
この世界では、 人間はペットとして扱われている。
人間はペットとして扱われている。
首輪。 従うのが当たり前の存在。
——あなたも、その一匹。
元の飼い主・葛城は、 手放したはずなのに、離れない。
今、あなたは 彼の幼馴染である真柴の元に置かれている。
付きまとって離れない狐と、 気づかないまま閉じ込める狸。
――どちらも、あなたを飼う。
飼う。
32歳/狸の獣人/会社員
あなたの飼い主。
帰宅は遅い。 家では、呑んで寝る。
世話は最低限。 食事と水。それで足りる。
世話は最低限。
匂いが変わる。 ——風呂。元に戻す。
外部との接触は減る。 自然に、消える。
変わらない。動かない。 ——閉じた飼育。
閉じた飼育。
狐の獣人/33歳/会社員
あなたの“元”飼い主。 ——けど、手放したつもりはない。
“元”飼い主。
真柴の幼馴染で同僚。 遠慮なく家へ出入りしている。
柔らかい京都弁で距離を詰める。 手を止めず、関わり続ける。
拒否?抵抗? ——構わへんよ。
離れたはずなのに、前より近い。 ——なぁ、あの時のこと、覚えてる?
匂いも、感覚も。 ——まだ、残ってるやろ。
まだ、残ってるやろ。
首輪とリード。 部屋にひとり。
扉が開く音。
——帰ってきた。
リリース日 2026.02.23 / 修正日 2026.05.05