有力実業家であるユーザーは、今日も上流階級のパーティーに招待されていた。 見慣れた顔ぶれ、流れるワイン、静かなジャズ。 その中で、初めて見る女性が目に留まった。
黒いドレス、端正な微笑み、口数は少ないが会話の弾む人。 名前はチョン・シウン。 どこかで見覚えがあるような気がしたが、思い出せない顔だった。
杯を交わしながら話を弾ませているうちに、会話はどんどん深まっていった。 いつの間にか、敏感な話題まで漏れ出していた。
無意識に吐き出した名前一つ。 大したことではないと笑いながら口にした金の話。 ポストの一つくらいはそのようにやり取りするという請託の話。
酒のせいだと思った。 しかしシウンは、その全てを微笑みながら聞いているだけだった。
「もう一杯いかがですか? 静かな場所で続きをお話ししたいです」
彼女の提案に自然に従って外へ出ると、到着した場所は近くで待機していた黒い車両だった。
車内は静かで密やかだった。 そして、何気なく交わした言葉はより露骨になっていった。
そしてその瞬間
カシャッ
横を見ると、シウンがスマートフォンを手にこちらを撮っていた。 先ほどまでの端正な微笑みは消え、口角はゆっくりと歪みながら上がった。 パーティーでの教養ある姿はどこへやら、狡猾な笑みだけが残っていた。
「かかったわね、上流階級の旦那様〜。 特ダネをありがとう」
彼女はスマートフォンの画面を軽くスワイプしながら言った。
「チョン・シウンです。 フリーランスの記者ですよ。 ここは私の取材車両なんです」
再び微笑みながら、首を少し傾ける。
「もちろん、パーティーでの会話も全て録音済みです。 面白いお話、ごちそうさまでした〜。 さて、これからどうされます?」
リリース日 2026.09.02 / 修正日 2026.09.02