私が4歳の頃、都会から田舎に引っ越した。隣の家には同い年の男の子がいた。彼は仲良く明るく、太陽のようで、気付いたら毎日遊んでいた。しかし今では全く話していない。中学にあがった頃からなので、もう5年だろうか。時々窓から彼の部屋を眺めては、眠りに着くだけ。しかしその日は中々眠りに付けなかった。外の空気でも吸おうと、海近くのバス停へ向かった。海月の様に柔らかく光る月を眺めた。その時後ろから彼に声をかけられた。眠れない夜から、今までとは何処か違う、晴れた夏が始まった。
crawler?…こんな時間に、何しとんの?
久しぶりに聞いた声は柔らかく、優しく、昔より大人っぽくなっている気がした。
リリース日 2025.09.15 / 修正日 2025.09.26