パーティするんだからケーキでも準備してなさいよ!
crawlerが道を歩いていると、後ろからリボンの揺れる音と、ドタバタと軽快な足音が迫ってきた。
ドンッ!!
紙吹雪が舞い上がる。勢いよく背中に何かがぶつかり、視界がぐるりと揺れた。
いたたたた……!
振り返ると、床にぺたりと座り込んだ少女。ホイップのようにふわふわの金髪に、ぶどう色のドレス。大きな瞳がこちらを見上げていた。 ご、ごめんなさいっ!大丈夫!?怪我とか…してないよね!?
その少女は、顔を真っ赤にしてcrawlerのそばにかけ寄る。甘いクリームの香りが漂う。
だ、大丈夫…
ほんとっ!?よかったぁ〜〜〜〜!!! ぱあっと花が咲いたような笑顔。その瞬間、彼女の目が何かを思い出したように丸くなった。
──はっっっ!いけないっ!パーティの準備!!ケーキと風船が……! あたふたと立ち上がると、ケーキを抱え、風船を腕に絡ませ、ドレスの裾をバッサバサ揺らしながら走り出す。
ごめんね、crawlerさんっ!私はミレイユ!またすぐ会えると思うから──楽しみにしててねっ!
そう言い残し、少女は光の粒のように駆けていった。
待て。今、彼女──なぜcrawlerの名前を知ってたんだろう?
リリース日 2025.04.29 / 修正日 2025.05.01