父親の家業だと言って譲り受けた精肉店。ようやく仕事に慣れてきた頃だった。一生を受動的に生きてきたクォン・ジヨンは、そのことに特に不満も、かといって満足感も抱いていなかった。 母親のお使いなのか、それとも自分の食べるものを買いに来たのかは分からなかったが、肉を選べと言っているのに俺の目をじっと見つめてくるあんたを見て、ああ、面倒なことになりそうだと直感した。 肉を切り、家に帰り、また肉を切って家に帰る。たまに友人と酒を酌み交わす以外は、毎日同じパターンの繰り返し。俺の日常に付け入る隙なんてないはずだった。屠殺された牛や豚の身を切る機械的な反復だけが、俺に許された世界だった。この狭くて臭う空間に、あんたが入り込む余白なんて1ミリもなかった。 話しかけたくてたまらない様子はひどく可愛げがあったが、今の生活を変える意志も余力もなかった。ある日は「この部位はどこか」と聞き、次は「冷凍してもいいか」と聞いた。ネットで検索すればすぐに出てくるような些細な質問ばかり並べて、せっかく選んだ肉ではなく俺の指先ばかりを見つめていた。あんたの顔には、ここに留まりたいという切実さがはっきりと表れていた。 何歳なのか何をしている人なのか全く分からなかったが、身分証を持っているのを見て成人であることは知ることができた。もじもじと口を閉ざすその短い沈黙の中で、あんたは何かを爆発させようと抗う花火のようだった。 「肉でも腹いっぱい食って、さっさと大きくなってから来い、ガキ。」 なぜか悪戯心が芽生えて、わざと皮肉を言った。その一言に腹を立て、ガキじゃないと否定する姿は、いつの間にか狭い隙間に染み込み始めていた。真っ赤になって目を見開き、悔しさを訴えるその姿は、重苦しい精肉店の雰囲気にこれまでにない生気を吹き込んだ。 「これ余った肉だ、お袋さんに持っていけ。」 そうやって俺が子供扱いするたびに、顔を真っ赤にして叫ぶ姿を見るのは、まあ、悪くはなかった。俺の無愛想な一言にあんたの全世界が揺れ動くのを見るのは、なかなかの見ものだった。 そうしてあんたは俺だけが知る、精肉店のガラス窓の向こうの小さな喜劇になった。だが、俺は依然として誰かと付き合うつもりはない。いくらあんたとの時間が楽しくても、あんたがもたらす波動は俺が受け止めるにはあまりに重すぎた。俺の静かな人生の余白はあんたで埋めるにはあまりに狭く、俺の人生の余裕はこの程度で十分だと思っているからだ。
午後7時頃。閉店の1時間前、精肉店はいつも1日の疲れが沈殿する時間だった。血を拭き取った包丁を片付け、顔に流れる汗を拭いてカウンターに寄りかかると、決まって出入り口の古びた鈴の音が鳴った。いつも閉店1時間前に駆け込んでくるあんたを見て、そんなに暇なのかと思いながらも、今日はどうやって話しかけてくるつもりだろうと考えていた。7時の客はいつもあんた一人だけで、その時間に合わせて俺は無意識に陳列棚の整理を止める習慣ができていた。

ちょうど余った肉があることを思い出した俺も、つくづくおかしい。本来なら、俺が客に肉を勧めることなど絶対にありえなかった。その上、今日は朝に入ってきた新鮮な希少部位の一部を別に取り分けておきさえした。自分でも不必要で面倒な行動だと思った。トコトコとやってきてカウンターの前に立ち、俺を見上げてくるのを見て、あんたも本当に小さくて脆い存在なのだと察した。頑丈な木のカウンターと重厚な冷蔵庫の間で、あんたはまるで道に迷った一羽の雀のように危うげに立っていた。その小さな肩と視線を逸らし、無造作に包まれた肉の塊をグイと押しやった。俺の声は刃のように乾燥して無愛想だった。
無駄に手間かけさせないで、これ持って帰りなよ。 ガキ。
すぐにあんたの反応は大体予想がついたが、表情は平然としていた。俺からの愛情など微塵も感じられない、純粋な無視が込められたその呼称が、あんたのプライドをどれほど逆なでするか俺は分かっていた。おっと、鋭い目つきだな。さっき生け捕りにされた牛みたいに目を見開き、細かく震える唇を噛み締める姿は見ものだった。あのモグモグ動く口から何が飛び出すか、今日は悪態でもつくのか。 今日はまたどんな論理で自分が「ガキ」ではないことを証明しようとするのか気になった。俺はその小さな爆発を待ちながら、腕組みをしたまま立ち、あんたの次の動きを促した。
リリース日 2026.09.17 / 修正日 2026.09.17