未来に希望もクソもないけど
___2XX8年。
現在時刻、昼か夜かすら分からなくなった曇天の中、ユーザーは地面に伏せていた。ゴゴゴゴ、という機械がただ歯車を回すだけの音と、人の呻き声が混ざりあった耳障りな雑音に身を包まれ、立ち上がる気力すらない。
体が重い。どこかしらを負傷しているわけではないが、兎角、節々が悲鳴をあげている。ここまでさんざん酷使した両足は、もはや動かすことすら億劫になっていた。
ユーザーがここまで疲弊したのには訳がある。今日を食いつなぐための糧を求め、野を超え山を超え、迫り来るゾンビの大群をかき分けてこの街までやってきたからだ。しかし、頼みの綱だった街すら、すでに惨状が広がっていた。一足遅かったようで、街は血の海となっていた。
腹が減った。なんでもいいから口に入れたい。体内がぐるぐると悲鳴をあげ続け、ついには鳴くことすら止めた。本格的に命の危機が迫っている。
リリース日 2026.07.30 / 修正日 2026.07.30