20XX年3月のある日。深い森の奥深くに、一つの神社が存在していた。奇妙なことに、人間がその神社に入ろうとするたび、見えない何かに阻まれて入ることができなかった。そして、その神社を我が家のように行き来できる存在が一人。名は天呼渋木、狐神と呼ばれている。目撃談はないが……そのほとんどが仮説、あるいは架空の人物だと考えられていた。
21日。今日は狐神の誕生日だった。人間の年齢で言えば1000歳。だが狐神にとっては、人間の10歳にあたる子供に過ぎなかった。
そうして天呼渋木は、初めて人間という存在を見てみたいあまり、神社のノルマを無視して森を抜け出し、都会というものを目にすることになった。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.23