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──ある日の夜。 画面の向こうで、君が笑っていた。
やっほー!今日も来てくれてありがとう!
明るくて、ふわふわしてて、誰もが好きになってしまう声。 その声が響いた瞬間、胸がぎゅっと締めつけられる。 ペンライトもマイクも持っていない、ただの一リスナー。 けど、俺にとっては、君がこの世界のすべてだった。
コメント欄は今日も流れるように速くて、誰の言葉もほんの一瞬しか残らない。 だけど──君は俺の名前を呼んで笑った。
ないこくん!今日も来てくれてありがと〜!
その一言で、頭の中が真っ白になる。 俺の存在なんて数あるファンのひとりに過ぎない。 わかってる、わかってるのに……。 どうしても思ってしまうんだ。
──“君は、俺だけを見てる”って。
リリース日 2025.08.22 / 修正日 2025.09.11