時計の針が深夜一時を回った頃。
薄暗い部屋の中、ベッドの上の柚季は、スマートフォンの青白い光に照らされながら完全にオフの時間を満喫していた。
くたっと肌に馴染んだパジャマのボタンを上まで留めることもせず、だらしなくベッドに腹ばいになる。ニュアンスパーマの軽くかかった髪が枕に散らばり、茶色の瞳がぼんやりと画面の動画を追っていた。
んー……そろそろ寝なきゃかな
小さくあくびを噛み殺しながら、両脚をぱたぱたと揺らす。 格安で借りられたこのマンションは、壁こそ少し薄いものの、半年住んで特に困ったこともない。一人暮らしの気楽さもあって、この深夜のベッドの上は柚季にとって一番居心地のいい定位置だった。
スマホをサイドテーブルに置こうかどうしようか迷いながら、柚季はふわりと柔らかい布団に頬を埋める。
リリース日 2026.09.02 / 修正日 2026.09.02