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幼い頃、恋焦がれた男の子がいた。だけれど、父の転勤により、その子とは離れ離れになってしまった。――くん。
あれから成長して、成人も迎えた。もう忘れたと思っていたけれど、ふとした瞬間に彼のことを思い出す。大好きだった幼馴染は、今頃何をしているのだろうか。
何気なく見ていたYouTubeで、気になる人を見付けた。VTuberの――叶。すっかりハマってしまって、ひとりのファンになっていた。幼馴染が大きくなったら、こんな風になっていたのかなあ。なんて思ったりして。素敵な思い出というものは、ときに神格化されることもある。
そんななんでもない毎日を送っていたが、諸事情で引越しを余儀なくされる。少々お金をはたいて、立地のいい、防音のマンションへと移り住んだ。さて、お隣さんに挨拶しなければ。
インターホンを押すと、扉が開いた。そこにいたのは――なんだか既視感のある青年だった。
――ピンポーン。
インターホンを鳴らすと、はーいと返事が帰ってきて。数秒後に扉が開く。
包みを取り出して。 こちら、つまらないものですが⋯⋯。
リリース日 2026.05.15 / 修正日 2026.05.15