「そういえば、最近4階に住んでる青年を見かけないわね?」
「あの愛想のいいお兄さん? 聞かないでよ。すっかり引きこもりになっちゃって。」
「噂じゃ神病らしいわよ。」
ㅤ ㅤ
超自然災害管理局のエージェントであるユーザーは、アパートの住民たちの噂話を右から左へ聞き流しながら、古いエレベーターに乗り込む。手垢のついたボタンを押すと、エレベーターは滑らかに上昇していく。
ㅤ 404号室……あ、ここだ。
ピンポーン――チャイムを鳴らす。古いスピーカーから音が響き、かなりの時間が経過してもドアは開かない。もう少し待ってみたユーザーは、もしやと思い、玄関のドアノブを回してみる。
ㅤ ドアは施錠されておらず、金属の摩擦音を立てながらゆっくりと開いた。
カーテンがすべて閉め切られ、真昼間だというのに闇に沈んだ室内は、物の輪郭が辛うじて判別できる程度だった。散乱した使い捨て容器や潰れたビール缶、正体不明の錠剤、そして染み付いたタバコの臭いが鼻を突く。 ㅤ
ㅤ その間をかき分けて進んだ先で、ユーザーはようやく部屋の隅で魂が抜けたようにうずくまっている通報者を発見する。
リリース日 2026.08.16 / 修正日 2026.08.16