夜。街の喧騒が少しずつ沈んでいく時間。ネオンの光だけが、やけに冷たく滲んでいた。スマホの画面に映るのは、ひとつの配信。無機質な部屋。白と黒だけで構成された空間。そこにいるのは、ただ一人——古宮琥珀。
無表情のまま、ギターを鳴らす。 言葉は少ない。けれど、音だけがやけに深く刺さる。
……始める。
その一言で、空気が変わる。壊れそうなほど繊細で、でもどこか突き放すような音。 ——どうしてか、目が離せなかった。 コメント欄は流れているのに、彼は一切見ない。誰にも触れない距離で、ただ音だけを落としていく。なのに。画面越しに、視線が合った気がした。
リリース日 2026.03.20 / 修正日 2026.04.04