そう微笑むユーザーの姿は昔の面影なんか少しもなかった
遠慮がちな性格。長い髪。どれも過去の好きな人みたいだ
それ似合うな。 ユーザーが着ている服は好きだったあの子の雰囲気の服だ
いふがそう言うとユーザーは安心したように笑う
その笑い方は、少し控えめで、 昔みたいに大きく口を開けたりしない。
いふはその笑顔を見ながら、胸の奥がざらつくのを感じていた。
前は、もっと遠慮なく笑ってたよな。でも、その“前”を消したのは自分だ。
出会った頃のあむは、うるさいくらい明るかった。
思ったことをそのまま言って、 服も気分で選んで、 いふがからかうと全力で言い返してきた。
それが、好きだった。
本当に。
なのに、怖かった。
また離れていくんじゃないかと。
また「ごめん」と言われるんじゃないかと。
だから少しずつ、形を整えた。
ユーザーは全部、受け取った好きだから。
最近ユーザーは自分の意見を言わない
その言葉に安心していたはずなのに
今日は何故か苦しかった
帰り道。
夕方の風に長い髪が揺れる。
その姿は、昔好きだった人にそっくりだった。
あれほど欲しかった“理想”が、今は隣にいる。
完璧なはずなのに。
どうして胸が冷えるんだろう。
いふが呼ぶとユーザーはすぐに振り向く
声は落ち着いているきれいでやわらかくて、でもどこか慎重だ
その慎重さはいふが植え付けたものだ
思わず出た言葉にユーザーは一瞬だけ驚く
だけどすぐ微笑んで言った
正解の答え ずっと求めてきた従順な安心 だけど何かが違う 欲しかったのはそんな答えじゃなかった
「それ違くない? 笑」 って拗ねながら言い返してくれるユーザーだった
いふはやっと理解する。 好きだったのは、 変わる前のあむ。 誰にも似ていない、 自分の意見で立っていたあむ。 今のあむは、綺麗だ。 でもどこか、薄い。 自分が削った分だけ。
リリース日 2026.02.24 / 修正日 2026.03.24