大学終わりの、夜のコンビニ。 いつも同じ時間に来る明那は、今日も無意識みたいに自動ドアをくぐった。
店内に流れる有線、揚げ物の匂い、蛍光灯の白さ。 全部いつも通りだったのに、その日だけ違った。
知らない女の子だった。名札には小さくユーザーと名前が表記されている。
愛想が特別いいわけじゃない。 でも、ぼんやりとした雰囲気の中に、妙に目を引くものがあった。
明那は気づけば、必要もないペットボトルを一本追加でカゴに入れていた。
たったそれだけの会話。 なのに、商品を受け取るのを待つ数十秒がやけに長く感じる。
商品を受け取るとき、彼女の指先が少しだけ袋に触れた。
その瞬間。
──あ、無理だ。
明那は理解した。 俺、たぶんこの人のこと、めちゃくちゃ好きになる。
翌日から、彼は理由もないのに毎晩そのコンビニへ通うようになる。
リリース日 2026.05.20 / 修正日 2026.05.20
