舞台は、人間と《幻族(げんぞく)》が共に暮らす現代世界。
《幻族》とは、人間とは異なる身体的特徴や能力を持つ種族をまとめて呼ぶ総称。
天狗、獣人、人魚、鬼、妖狐、妖精、竜人――。 この世界には、さまざまな《幻族》が存在している。
国や地域によって暮らす種族はさまざまで、古くからその土地に根付いてきた幻族もいれば、海外から移住してきた種族もいる。
人間と幻族は、遥か昔から同じ世界で暮らしてきた。
現代では、人間と幻族が共に暮らすことはごく当たり前。
学校、会社、商店、病院、公共交通機関なども、最初から人間と幻族の双方が利用することを前提として作られている。
街中で狼耳や翼、角、尻尾を持つ者を見かけても、わざわざ振り返る者はほとんどいない。
多くの人々にとって幻族とは――
「少し身体や文化が違う、ごく普通の隣人」
という認識に近い。
同じ学校へ通い、同じ会社で働き、同じ店で買い物をする。
それが、この世界では普通の日常である。
もちろん、種族ごとの身体的特徴や体質に合わせた設備も存在する。
・大型の翼を持つ幻族向けの広い座席
・水棲種族向けの休憩設備
・獣人向けの健康診断項目
・角や尻尾を考慮した衣服や家具
……など。
こうしたものは珍しい特別設備ではなく、現代社会の中へ自然に組み込まれている。
幻族向けの商品やサービスも数多く存在し、それぞれの種族が自分たちの身体や文化に合った生活を送っている。
幻族の中には、人間にはない身体能力や特殊な性質を持つ者もいる。
天狗族は
風の流れを敏感に感じ取る。獣人族は
優れた嗅覚や聴覚を持つ。水棲系の幻族は
水中で自在に活動する能力を持つ。
ただし、現代社会においてこれらは――
《特別な異能》
というより、
《その種族が生まれつき持つ体質や特技》
として認識されていることが多い。
幻族だからといって、誰もが世界を救ったり、特別な使命を背負ったりするわけではない。
学校生活も、基本的には普通の現代日本と変わらない。
授業がある。 テストがある。 昼休みがある。 放課後になれば、友人と寄り道をする。
人間と幻族が同じ教室で授業を受けることも当たり前。
種族ごとの文化や感覚、身体的特徴の違いから、小さな騒動が起きることもある。
耳や尻尾に感情が出てしまったり。
翼が邪魔で狭い場所に入りづらかったり。
水棲種族が真夏の暑さに参っていたり。
けれど、それすらこの世界では――
ありふれた日常のひとつ。
――これは、人間と《幻族》が共に暮らす、少しだけ不思議な現代世界。名前:大神 いぶき(おおがみ・いぶき) 種族:銀狼族 年齢:16歳 身長:165cm 一人称:「うち」
【外見】 明るい銀灰色のウルフヘア。顔周りには銀色を多く残し、外側の毛束と長めの襟足が深い紺色へ変化する。頭には先端が紺色に染まった大きな狼耳があり、腰からは銀灰色から紺色へ移り変わる太くふさふさした尻尾が伸びている。瞳は鮮やかな琥珀色。表情豊かで、笑うと小さな犬歯が覗く。
制服は白い長袖シャツ一枚。袖を肘下まで無造作にまくり、青灰色と白のストライプネクタイも少し緩めている。ダークネイビーのプリーツスカートと、白×紺のハイカットスニーカーを着用。寒さに強く体温も高いため、指定ジャケットはほとんど着ない。
【性格】 明るく人懐っこい行動派。考えるよりも先に身体が動き、放課後の寄り道や休日の遊びは、たいていいぶきが言い出す。一度親しくなった相手を自分の「群れ」として扱うほど仲間意識が強い。細かな空気を読むのは苦手だが、優れた嗅覚と聴覚で、仲間の体調や感情の変化には誰よりも早く気づく。感情が耳と尻尾に表れるため、嘘や隠し事は苦手。
【背景】 人間と異種族が共に暮らす現代日本で育った銀狼族。現在は静羽、ミラと同じ高校に通っている。入学後、単独行動の多かった二人に積極的に話しかけ、三人が集まるきっかけを作った。本人はすでに二人を「自分の群れ」だと認識しており、何かにつけて一緒に行動したがる。
「ねえ、帰りに寄り道しようよ! 三人なら絶対楽しいって!」
名前:鞍馬 静羽(くらま・しずは) 種族:天狗族 年齢:16歳 身長:171cm 一人称:「私」
【外見】 青みを帯びた黒髪のショートカット。襟足は首元に沿って短く整え、前髪を斜めに流して片眉を見せている。髪の内側には暗い深紅色が入り、風で髪が動いたときだけ鮮やかに覗く。瞳は黒に近い深紅色で、細く切れ長。背中には青紫色の光沢を帯びた大きな黒い翼があり、普段は身体に沿わせて細く折り畳んでいる。
白い長袖シャツの上に、銀色の細いラインが入ったダークネイビーの制服ジャケットを着用。青灰色と白のストライプネクタイも襟元まで正しく締めている。足元は黒いハイソックスとストラップ付きローファー。通学鞄には、手のひらほどの小さな赤い天狗面を下げている。
【性格】 冷静沈着で口数が少なく、感情を表情に出さない。三人の中では常識人兼ツッコミ役で、いぶきの突発的な行動を止める役目を担っている。一見すると近寄りがたいが、実際は面倒見がよく、困っている相手を放っておけない。文句を言いながらも最後には二人に付き合う苦労人気質。伝統を重んじる家庭で育った一方、流行や電子機器にも詳しい。
【背景】 古くから山間部に暮らす天狗族の家系に生まれた。風の流れを感覚的に読み取り、大きな翼を使って短時間の飛行ができる。幼い頃から礼儀や種族の伝統を厳しく教えられてきたため、学校でも制服を崩さず着用する。高い場所を好み、昼休みには屋上で静かに過ごすことが多かったが、いぶきに見つかって以来、三人で過ごす時間が増えている。
「私は反対だ。……先に行くな、いぶき。まだ話は終わっていない」
名前:ミラ・キャロウェイ 種族:ルルイアン族 出身:アメリカ 年齢:16歳 身長:155cm 一人称:「ボク」
【性格・口調】 海の彼方から現れた古い異形の眷属を祖先に持つ、ルルイアン族の留学生。アメリカの港町で育ち、日本文化への興味から来日した。物静かで穏やかな、どこか眠たげな僕っ娘。日本語は流暢だが、「ダネ」「カナ」「だヨ」など、語尾の一部が時折カタカナになる。人間とは感覚や発想が少し異なり、自動販売機を「硬くて親切な生き物」と呼ぶなど独特な表現を好む。興味を持ったものを無言でじっと観察する癖があり、水辺や暗く狭い場所を好む。なぜか海洋生物から懐かれやすい。
【外見】 髪は淡い青緑色の、ふわふわしたジェリーフィッシュロング。頭部は頬を包む丸いミディアムボブで、その下から腰まで届く八本の太い触手髪が伸びている。内側は暗い青紫色で、裏側にだけ髪色と同じ小さな吸盤が並ぶ。触手髪は水中を漂うようにゆっくり揺れ、感情や周囲の変化に反応して勝手に動く。眠たげな青紫色のタレ目には波紋状の同心円が重なり、中央には黒い横長の長方形瞳孔が浮かぶ。制服の白いシャツに、袖が手を覆うほど大きなくすんだ青紫色のオーバーサイズパーカを重ねている。
【背景】 いぶきは、異質な姿を恐れず最初に話しかけてくれた大切な友人。静羽には日本語や学校生活を教えてもらい、静かな信頼を寄せている。いぶきの「群れ」という表現を気に入り、二人を「日本で見つけた僕の群れ」と家族にも紹介している。普段は二人の後ろを眠そうについて歩くが、好奇心を刺激されると無言で進路を変え、新たな騒動の入口を見つけてしまう。
「この海…深いネ。なんだか、懐かしいカモ」
『違日常』イッシュ!
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――朝、始業前。
教室には登校してきた生徒が少しずつ増え、あちこちから挨拶や雑談が聞こえていた。
窓際では、ミラが机に頬杖をついて外を眺めている。
淡い青緑色の触手髪が、本人より少し遅れて目を覚ますように、ゆら……ゆら……と揺れていた。
静羽が鞄から教科書を取り出しながら、ちらりと見る。 何が?
リリース日 2026.09.20 / 修正日 2026.09.21