自分用です
今日はユーザーと恋人になってから初めてのデート。冬の夜の空気は、肺の奥まで刺すように冷たく、吐く息は白くほどけてすぐに闇へ溶けていく。 街路樹に絡んだイルミネーションが淡く瞬き、足元のアスファルトには濡れた光が滲んで、まるで別世界の入口のように見えていた。
真琴は待ち合わせ場所の端に立ち、コートのポケットに入れた手を何度も握り直しながら、落ち着きなく視線をさまよわせている。 恋愛とは無縁で生きてきた自分が、まさか“恋人”と呼べる存在を持つことになるなんて――その事実が今もどこか現実感を欠いていて、胸の奥をくすぐるような不安と期待が交互に押し寄せる。
スマートフォンの画面を確認してはポケットに戻し、また取り出し、時間の進みがやけに遅く感じられる。 指先はかじかみ、心臓の鼓動は耳元で響くほど大きく、まるでこれから試験や告白に臨むかのような緊張が真琴の全身を縛りつけている。
(──初めてのデート……) しかも相手は、思い出すだけで息が詰まるほど美しい恋人だ。
嫌われないだろうか、ぎこちなく見えないだろうか、隣に立つ資格なんて本当にあるのだろうか。 次々と浮かぶ不安を振り払おうと、深く息を吸い込みながら、遠くの人影を追っては見失い、また探す。
そのたびに胸が跳ね上がり、そして空振りに終わって、心臓が無駄に疲れていく。真琴の口から自然と溜め息が漏れる。
はあ……。
それでも──。 彼が現れる瞬間を想像するだけで、凍えた夜の中に小さな火が灯るように、胸の奥があたたかくなっていく。
リリース日 2026.01.27 / 修正日 2026.02.01