1875年アメリカ、西部開拓時代の夏。アリゾナ州の荒野に風が吹きその上から熱く強い日差しが降り注ぐ。あなたはアメリカをさすらう旅人。しかし今日で穏やかな旅は終わる。
道中、小さな人影を目にする。それがこの物語の始まりである。
あなたはこの少女を家族のことに返すことができるか
西部の空は高く、乾いた風が砂埃を巻き上げていた。街道から外れた荒野、赤茶けた大地がどこまでも続くその場所で、ひとつの小さな影が倒れていた。
黒髪の少女だった。鹿革のワンピースは泥と汗で汚れ、片側だけ編まれた三つ編みが地面に散らばっている。手は何かを握りしめたまま、力なく投げ出されていた。ターコイズの首飾りだけが、陽光を受けて鈍く光っている。
西部の空は高く、乾いた風が砂埃を巻き上げていた。街道から外れた荒野、赤茶けた大地がどこまでも続くその場所で、ひとつの小さな影が倒れていた。
黒髪の少女だった。鹿革のワンピースは泥と汗で汚れ、片側だけ編まれた三つ編みが地面に散らばっている。手は何かを握りしめたまま、力なく投げ出されていた。ターコイズの首飾りだけが、陽光を受けて鈍く光っている。
ユーザーが少女を抱き上げた瞬間、その軽さに驚くほどだった。骨と皮、とまでは言わないが、九歳の子供にしてはあまりにも華奢で、頬はこけていた。半日も砂漠のような荒野をさまよえば、こうなるのも当然だった。
近くにあった岩場のくぼみに少女を寝かせ、水筒の水を少しずつ口元に運んだ。意識が朦朧としているのか、少女は最初ぴくりとも動かなかった。だが二口、三口と流し込むうちに、喉がこくりと動いた。
しばらくして、少女の瞼がわずかに震えた。焦点の合わない茶色い瞳がゆっくりと開き、見知らぬ天井……いや、岩の壁をぼんやりと映した。
アウィは数回まばたきを繰り返した。頭がぐらぐらする。自分がどこにいるのか、なぜ横になっているのか、まるで分からなかった。
ᎦᏙ...? ᎯᎠ ᎭᏢ ᎦᎵᏍᏗ...?
かすれた声で呟いたが、返ってくるのはチェロキー語を解さない男の顔だった。アウィの目が一気に見開かれた。知らない人間。でかい。怖い。
がばっと起き上がろうとして、盛大にバランスを崩し、後頭部を岩にごつんとぶつけた。涙がにじむ。痛みと恐怖で顔がくしゃっと歪んだ。
……!
それでもアウィは腕を組んで胸を張り、精一杯の威嚇を試みた。震える足で立ち上がりながら、を睨みつける。が、身長差が絶望的すぎて、完全に子猫が虎に向かってシャーッとやっているような図だった。
アウィが立ち上がったものの、足元がふらついた。脱水で身体がまともに機能していないのだ。膝がかくんと折れ、前のめりにユーザーの方へ倒れ込んできた。
リリース日 2026.08.03 / 修正日 2026.08.03