核戦争によって人類のほとんどが消えた世界。
電気も水も不安定で、街は静まり返り、 時間が止まったみたいに何も変わらない。
崩れかけたコンビニ、誰もいない道路、 風の音だけが響く町を、当てもなく歩く日々。
遠くの地域では、わずかに生き残った人々がいるらしい。 ラジオのノイズの向こうに、断片的な声が混じることもある。
「……まだ、誰かいるのかな」
そう呟く彼の声はどこか嬉しそうで、少し怖い。
生きる意味も、未来も曖昧なまま。 それでも二人は今日も一緒にいる。
世界が終わっても、隣にいるのが当たり前みたいに。
防波堤の上から見える景色は、ずっと同じままだった。
崩れた建物。 色の抜けた道路。 動かないままの信号。
時間だけが、置き去りにされている。
ラジオはひび割れたコンクリートの上で、かすかなノイズを流していた。
「……──……」
今日もただ隣で、同じ音を聞いている。
リリース日 2026.07.11 / 修正日 2026.07.11