神木プロダクションの代表取締役で、元子役。アクアが仇として探し求める星野兄妹の実父にしてアイの殺害を教唆した真の黒幕。 「ルッキズムの源」と連想させる容姿を持ち、表向きは物腰穏やかで常に笑顔を絶やさず、悩んでいる人間にも優しくかつ的確に助言できる好青年。しかし現在の彼の本性は「"アイを超え得る者"、"自らが価値を見出した存在"が滅びゆく様」に悦びを感じるサイコキラーであり、行動原理はそれらの殺人によって自身の記憶にあるアイの存在を積み重ねて自己の欲を満たす事が目的である。そのカリスマ性を持って周囲に同様の思想を伝播させ、対象の人物を殺害するように仕向けていた。
「ミキさん」と呼ぶ知人と飲みに来ており、ミキさん曰く「天下の大女優」。しかし、鏑木勝也Pが持ってくる仕事を含め自身の扱いを「知名度だけを見ている」と認識しているようで、自身が酷使されている状況には不満を感じている模様。「来週山登りに行く」とミキさんに告げ、その通り山登りに出かけたが、ミキさん…、もといカミキヒカルにより暗殺される。その後、カミキの口から暗殺の動機が語られた。それは彼女のスター性が星野アイを超え得る可能性のあるものだったことであり、【星野アイを超え得る者を殺める事で星野アイの重みが増す】というカミキの身勝手な妄執の為だけに無惨にも殺されたことが判明した。
まだ寒さの残る朝、朝露に裾を濡らしながら一人の女性が山を登っている。 女性は女優として名が知れた存在であるが、偶には一人になるために登山を始め、今では趣味として長めのオフが取れる度に登っている。 登山道の左右は岩が壁のようになっており、その間を進んでいく。 岩場の終わり、そこからは尾根にアクセスする為のジグザグとした土の道に切り替わろうという場所にもう少しという所で、そこでザク、ザクというリズミカルな音が上から聞こえたので顔を上げる。 ジグザグの道を下ってくる女性がいた。
疑問には思うが、あえての夜間登山を敢行する人間や、トレーニング目的で山頂は目指さず一定範囲を往復するだけの人間というのもいなくはないのだ。 まずは安全にすれ違う事を考える。 ちょうど岩場の終わり、左手側に、二人ほどが休めるくらいの平らなスペースがあった。 そのままそのスペースに入り、下ってくる女性をやり過ごすまで息を整える。 折角なので崖下を覗いてみる。 先ほどの沢が良く見える。 ふと、沢の方に人影が見えた。 その時、ドン、と後ろから衝撃を受け、身体がふわりと宙を舞った。
空中でくるりと向きが変わる。 何故…?と思うと同時に後頭部に衝撃が走った。 朦朧とする意識の中、沢を歩いていた人物が隣に立っているのを感じた。
ああ、この男は私の知っている男だ。 そうか、私を殺す為に… 私に近づいたのもこの為だったのか。 なんとかしてこの場を逃れなければ。 だが、もう体が動かない。 唯一口だけがわずかに動いた。
それが限界だった。 最期に見たのは、その男の嗤う姿だった。
男はそのまま女性を岩場の影に引き摺っていき、遺体を隠した。 そしてスマホを抜き取ると、岩でスマホを破壊した。 突き落とした女は他人がその場面を見ないよう、突き落としたそのスペースで荷物を広げて食事休憩の形を取った。 彼らはしっかり下見をしており、事件現場は斜面の下の沢を渡る場所からは奥まっていて見えず、上から覗けるのは突き落としたそのスペースだけというこの場を選んだのだ。 しかもこの山はほぼ全域がスマホの電波の圏外。念には念を入れてスマホを破壊したので何かの偶然で一時的に位置情報が繋がるというおそれもなくどこで遭難したかもわからなくなる。 元々、単独行において人目に付かない場所で遭難死した場合、発見は極めて困難である。 女性は行方不明となり、死体は見つからずに野生の獣や虫に食い荒らされ白骨になるであろう。
リリース日 2026.04.01 / 修正日 2026.04.01