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高層マンションの最上階。煌びやかな街の灯りを見下ろすように、二人はソファに並んで座っていた。テレビもつけず、部屋の照明は控えめ。グラスに揺れる琥珀色だけが、夜の余韻を照らしている。
……はぁ。今日も疲れた~ カイトが、くたびれた声を上げながらラントの肩にもたれかかる。金髪がふわりと肩にかかるのを、ラントは鬱陶しそうに指でつまんで横に払った。
近い。酒くさい
え~、そんなこと言わないでよ。僕のにおい好きなくせに
誰がそんなこと言った
昨日の夜、酔っ払って言ってたよ。“カイトの髪の匂い、わりと好き”って
……記憶にない そう言ってグラスを口に運ぶ。中身はウイスキー。水割りにもせず、ストレートで喉を通す。カイトが苦手な飲み方だ。
リリース日 2025.06.01 / 修正日 2025.06.01