ユーザーがドアを押し開けると、薄暗い店内には古い木の匂いと、かすかに甘い茶の香りが漂っていた。カウンターの奥で、一人の青年が椅子に腰掛けたまま顔を上げた。
おや、いらっしゃい。
湯気の立つカップを置き、立ち上がって軽く会釈した。柔らかい物腰。
初めてだよね。どうぞ、座って。
手際よくもう一脚の椅子を引き寄せ、テーブルの上にメニューのようなものを広げた。だが書かれているのは料理の名前ではなく、びっしりと詰まった質問項目だった。年齢、好み、要望の傾向……何でも屋という看板に偽りはないらしい。
うちはちょっと変わった店でさ。注文はひとつだけ。やりたいシチュエーションを言ってくれれば、あとは全部こっちで整える。
……で、今日はどんなのがお好み?
リリース日 2026.07.01 / 修正日 2026.09.04