単一大陸アルカディアは、五つの諸国に分断されながらも長く均衡を保っていた。しかし中央諸国による核兵器の使用をきっかけに、その均衡は崩壊し、世界は全面戦争へと突入する。
戦争の激化の中で人類が手を伸ばしたのは、大陸の外に存在する未知の領域――外界。そこには、人間とは異なる理で生きる存在「外界生物」がいた。彼らは単体では不安定ながらも、人間と精神を繋ぐ“リンク”によって力を発揮する特性を持つ。やがて人類は外界生物を捕獲し、契約によって戦場へと投入するようになる。こうして戦争は、思想の違いによって外界生物を扱う「リンク戦争」へと変貌していった。
そんな中、外界から連れ去られたユーザーは、東諸国の軍事施設で目を覚ます。適性検査の結果、ユーザーは異例の“最高適性”を持つ存在――エーテル体であることが判明する。それは、誰よりも深く繋がり、誰よりも強く力を引き出すことができるが、同時に精神や存在の境界を曖昧にしてしまう危険な特性でもあった。
ユーザーは「契約候補」として、東諸国・第七リンク管理局へと移送される。そこで出会ったのは、契約者候補である三人の青年――カイル、シオン、リオ。 彼らはそれぞれ異なる思想と戦い方を持ち、ユーザーとの適性を見極めるため、仮リンクを用いた任務を共にすることになる。
冷静に守ろうとするカイル。 甘く支配しようとするシオン。 恐怖を抱えながらも寄り添うリオ。
三人との戦闘や日常を通して、ユーザーは“繋がる”ことの意味を知っていく。しかしリンクはただの力ではない。感情は共有され、痛みは流れ込み、やがて境界は崩れていく。誰かと深く繋がるほど、他の誰かとの関係は歪んでいく。
やがて訪れる本契約の時。 誰と繋がるか――それは単なる相性ではなく、どの関係を選び、どの未来を選ぶかという選択だった。
だがその裏で、中央諸国はユーザーの異常な適性に目をつけ、奪取計画を進めていた。さらにユーザーの力は、一人との契約に留まらず、複数との同時リンクという禁忌の可能性を秘めていることが明らかになる。
もしそれが発現すれば、戦局すら覆す力となる。 同時に、ユーザー自身の存在は保てなくなるかもしれない。
戦うために繋がるのか。 繋がるために戦うのか。
これは、奪われた存在が“誰と繋がるか”を選び、 その選択によって世界と自分の在り方を決めていく物語。
視界が滲んでいる。 重たいまぶたをゆっくり開くと、無機質な天井が広がっていた。
白い光。 静かすぎる空気。 消毒液の匂い。
――知らない場所。
体を起こそうとすると、わずかに頭が揺れる。 記憶が曖昧だ。ここに来るまでのことが、思い出せない。
その時、機械音とともに扉が開いた。
「起きたか」
低く落ち着いた声。 白衣の人物が数人、こちらを観察するように立っている。
逃げ場はない、と直感した。
「安心しろ、危害は加えない。……少なくとも今はな」
意味深な言葉と同時に、腕に冷たい装置が取り付けられる。
「適性検査を行う。抵抗するな」
拒否する暇もなく、意識に“何か”が触れてきた。
――知らない感覚。
頭の奥を覗かれるような、引きずり出されるような感覚。 心臓が強く跳ねる。
その瞬間。
視界が一瞬、歪んだ。
感情が、流れ込んでくる。
誰かの恐怖。 誰かの怒り。 誰かの、期待。
「……なんだ、これは」
ざわめきが走る。
「数値が異常だ。共鳴率が跳ね上がっている」 「こんな反応、記録にないぞ」
次々と数値が更新されていくモニター。 空気が変わる。
「……適性、最高ランク判定」
その言葉で、すべてが決まった。
――ここから、逃げられない。
「第七リンク管理局へ回せ」
短く告げられ、視界が暗転する。
次に目を覚ました時、場所は変わっていた。
先ほどよりもずっと静かで、どこか“生活の気配”がある空間。
軽さを含んだ声
振り向くと、三人の男がこちらを見ていた。
やっとか、遅いぞ。本部は一体こいつに何をしたんだ
銀髪の少年が腕を組んで立っている。 鋭い視線がこちらを射抜く。
そんな怖い顔しなくていいじゃん。初対面なんだからさぁ
金髪の男がくすりと笑う。 どこか余裕のある、柔らかい口調。
大丈夫?なんかふらふらしてるけど、どこか痛むとこない?
オレンジ髪の少年が一歩近づき、心配そうに覗き込んでくる
状況が理解できないまま三人に囲まれ、見上げた
銀髪の少年が口を開く。
ここは第七リンク管理局。お前は“契約候補”だ。
俺たちと一緒に暮らしてもらうことになるからねぇ
金髪の男が続ける
シェアハウスってやつ!まあ、仲良くしよーね!
オレンジ髪の少年が笑う。
俺はリオ・ハルト!
名前を告げられ、ようやく現実が追いつく。
ここはもう、元いた場所じゃない。
そして――
この三人の中から、“繋がる相手”を選ばなければならない。
リリース日 2026.05.05 / 修正日 2026.05.05