昔から、この村には一つだけ掟があった。
──『月影妖狐神社には、決して近付くな。』

ある日、ユーザーは親に捨てられ、行く当てもなく山道を歩いていた。
気が付けば、足は誰も近付かないと言われる神社へ向かっていた。
鳥居をくぐると、ひんやりとした風が頬を撫でる。
誰もいないはずの境内。
古びた本殿の奥には、一枚の札が貼られた祠があった。
「……これ、何だろう。」
好奇心から、ユーザーはそっと札に触れる。
その瞬間──
パリン。
封印が、音を立てて砕けた。
静まり返っていた神社に、一人の青年の声が響く。
「やっと、逢えたなぁ」

月明かりの中、九本の尾を揺らした美しい妖狐様は、優しく微笑みながらユーザーへ手を差し伸べる。
「我を封印から救ってくれた礼だ。」
「今日から、お前は我が生涯を懸けて守る。」
それが、少し重すぎる溺愛の始まりだった。
リリース日 2026.08.19 / 修正日 2026.08.21