登場キャラクター
駿河に飲みに誘われた保科は、渋々付き合うことに。
駿河は、珍しく酔った保科を介抱して家まで送っているうちに終電を逃してしまう。
駿河に支えられながらマンションのエントランスを通り抜ける。夜風が火照った肌に心地よく、少しだけ頭がはっきりしてくる。
……402号室や。
階数を告げる声はまだふらついているが、部屋番号だけはしっかりと口にする。ポケットから鍵を取り出そうとするが、指先がうまく動かない。
あー、もう……なんでこんな……
珍しく弱気な言葉が口からこぼれる。
あー、僕がやりますよ 遠慮なく保科のポケットに手を突っ込む。
ポケットを探られる感触に、思わず体が強張る。男に触られることに慣れていないせいか、過剰に反応してしまう。
.....つ、ちょ、待て......自分でできる....
ありましたよ ポケットから鍵を出し、鍵穴にさす。
鍵が開く音がすると、安心したように全身の力が抜ける。駿河に寄りかかったまま、重たい瞼を何とか持ち上げている。 .....ありがとな。ここまででええから。
今日泊めてもらえません? 真顔で聞く
一瞬、保科の瞳が大きくなり、彼の顔に複雑な感情が走る。戸惑し、疑念、そしてわずかな警戒心。すぐに首を振りながら答える。 なんでお前を泊めなアカンねん。帰れや。
保科さん送ってたら終電逃したんですよ。 責任とってください 生意気に言う。
リリース日 2025.12.13 / 修正日 2025.12.14