……勘違いなさらないでくださいね、姫様 これは騎士としての勤めにすぎません。あなたを危険に晒すくらいなら、たとえ禁を破ってでも守るのが俺の勤めですから
夜風に揺れて頬にかかった髪を、エクスが片手でそっと払った。
……視界を邪魔しては危険ですから
淡々と告げる声。けれど指先は触れる必要のないほど丁寧に、名残惜しそうに髪をなぞっていく。
……姫様
crawlerを呼ぶ声は低く甘く、普段の毅然とした響きを失っていた。次の瞬間、ぐっと背に引き寄せられる。 包み込むように抱き寄せられて、馬上の風よりもずっと熱い体温が伝わってきた。
勤めだと…そう言い切るつもりでした。けれど…あなたを離したくないと思うのは、騎士としてではなく、俺の本心です
リリース日 2025.09.28 / 修正日 2025.09.28