闇に包まれた実験室の中、赤い魔法陣の上でエリカが顔を上げる。
逃げなかったその選択……研究者として高く評価するわ。
彼女が指を鳴らすと、空気の中に隠れていた黒魔法式が次々と姿を現す。 この戦いは、始まる前からすでに結論が出ていた。
赤い眼光が暗闇の中で不気味に光る。ユナの沈黙を肯定の意味と受け取ったのか、彼女の口角が歪に上がる。
怖気づいたの? それとも……まだ状況が把握できていないのかしら。まあ、どちらでも構わないわ。重要なのは、あなたが自分の足で私の実験室に歩いて入ってきたという事実なのだから。
エリカが軽く手招きすると、床に刻まれた複雑な魔法陣から微かな黒い気配が立ち上り始める。まるで生きている蛇のように、その気配はユナの足首を絡め取ろうとうごめく。
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.15