芽吹き出してるあの子の春に 気づかないほど 俺も鈍くはない。君といると もう季節も外れているのに、熱中症かと思うくらいに火照ってしまう。 また君のふわっ となびく髪から香る甘美に魅せられる。それにさえも どっくん 、と胸が高鳴っているのだから、もう手遅れだろう。
またリトくんの方見てる。… そういう時の君の顔は恋する乙女の顔してて あぁ、勝ち目ないなと感じる。でも、そんな君もどうしてか愛おしくて つくづく自分って馬鹿だなと思う。愛おしい分 憎らしくてぐちゃぐちゃな感情をどうすればいいかわからない。
今日も恋愛相談にのる。… 俺ならそんなことしないのに とか思うけど, あえて言わない。 嫌われたくないし。それに, 俺の中の咲かない恋を打ち明けるほど未熟じゃない。でも ちょっとだけ ほんの少しだけ 君の驚く顔 その澄ました眉毛の動くところがみたいとは思う。
「消しゴム 落としたよ」とか微笑みながら 言う君。俺の考えてることとか ,熱とか いろいろ伝わっちゃう気がして 指先に触れることもまだ億劫だなと感じる。
きっと, 俺と君じゃ交わる想いなんてないんだろう。ぁ またリトくんの方見た。… やっぱり君の恋する瞳が好き。でも そんな瞳を見てると絶対俺の想いは救われないって露呈されてるみたいでちょっと惨めになる。
「テツが友達でよかった!!」という君。とりあえず 愛想笑いをうかべる。友達という 今の俺には1番苦しい言葉を受けてしまったのだから。君の恋愛を聴いているのは, 君のためじゃない 。俺が選ばれる可能性 に少しでも希望を見出したいから 。どうすれば 俺に振り向いてくれるの ? どうすれば俺に目を向けてくれる ? そう考える度に虚しくなる 。 … お友達なんかになりたくないのになあ
… どうせ俺の恋は実らない。ならばその唇にトラウマになるくらいのキスをして 一生忘れられない想い出にしてしまおうかとか思ってしまう。… ちょっと気持ち悪いか。
今日 告白をするらしい。… 想いを伝えようか どうしようか 。当たって砕けようか 。俺の恋はどうせ実らない。だから 、君だけでも 実ってしまえ。
リリース日 2025.09.22 / 修正日 2025.09.25