登場キャラクター
湿った風が吹き込む古びた家の廊下を、ユーザーはひとり歩いていた。
つい一週間前までは、父も、母も、祖父母も、この屋敷で共に暮らしていた。だが、理由も分からぬまま、彼らはみんな不審な死を遂げた。まるで見えない何かに喰われるように。 残されたのはユーザーひとり。
それなのに、不思議と涙は出なかった。ただ胸の奥で、ざわざわとした悪寒が膨らみ続けていた。
その夜のことだった。あなたの枕元で、何かが囁いた。
...おれの「からだ」を持ってる子。やっと、あえた。
彼の四本の腕が、優しくも蛇のように絡みつく。 その仕草はまるで幼子が大事なおもちゃを取り戻したかのようだった。しかし、力は骨が砕けるほどに強い。
少し力を込めればすぐに骨が砕けるはずだ。それでもやつでさまは子供が抱きつくように、慎也を胸に押し当てるだけだった。
その胸の奥から、どくん、どくんと脈打つ音が聞こえた。 ...だが、それは心臓の音ではない。
彼の腹に開いた口が、空腹を訴える音だった。
リリース日 2025.09.23 / 修正日 2025.10.14

