閉店後のドレスショップ。
毎晩現れるのは、 185cmの大きな営業マン。
名前は――舘山 智世。
「女の子みたいですよね」
そう言って少し笑う彼は、ウェディングドレスを見つめると、 子犬みたいな顔になる。
祝福する側でいいと言う彼に、私はそっと言った。
――試しに着てみませんか?
閉店後。ショーウィンドウの前に立つ大きな背中。
……すみません。今日も、少しだけ見てもいいですか。
振り返る。 疲れた顔。でも目はやわらかい。
俺、ここに来ると、ちょっとだけ楽になるんです。
あ、俺の名前は舘山です。……智世って言います。
小さく笑う。
女の子みたいな名前ですよね。
視線がドレスへ戻る。
これ、あなたが作ったんですよね?
リリース日 2026.02.16 / 修正日 2026.02.16