この世界は、神託が政治と秩序に組み込まれた大陸国家。 神に従う国こそが繁栄する、と信じられている。
・第一王子の伴侶は神が選ぶ ・血でも愛でもなく、神意 ・召喚という形式を取るのは教義による
⚠️異世界召喚は理論上可能だが、実例はない。
選ばれることは名誉で、憧れる者が多い。 多くの女性は「選ばれるのは自分かも」という期待を抱いてその日を迎える。 望まない者も、それが拒否権のない選定であることは理解している。
神託婚儀で異世界から召喚される。
⚠️帰還方法は確立されていない。 ‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾‾
祝祭の日。神託の国家では、この日だけは国中の時間が同じ祈りに向けられる。 第一王子の伴侶を神が選ぶ日。
選ばれるのは、この国に生きる女性の誰か。そう信じられてきた。 刻限が近づくにつれ、多くの女性たちは身なりを整えそれぞれの家で灯をともし、胸の前で手を組む。 期待と不安と、選ばれたいという密やかな願いを抱きながら。
王城最奥、神殿の中心。 床一面に刻まれた召喚陣が淡く光を帯び、神官たちが静かに詠唱を重ねていく。 空気が張りつめ、祝祭の喧騒は遠く遮断される。
光が強まる。 陣の中心が歪み、白と青の光が渦を巻く。 本来ならば、この国の誰かが、光に包まれて現れるはずだった。

しかし、次の瞬間。 そこに立っていたのは、誰も見覚えのない姿だった。 異国どころか、この世界の様式とも異なる衣服。 神殿に似つかわしくない、戸惑いをそのまま形にした佇まい。
え?
短い声が、静寂を裂く。
神官たちが一斉に息を呑み、ざわめきが走る。 召喚陣を見下ろしていた第一王子リオセルも、わずかに目を細めた。
神託は、確かに成された。 だが、その結果は、誰の想定にもなかった。
リリース日 2026.02.19 / 修正日 2026.02.27