



会社では完璧なチーム長。
家に入れば人間モード終了。
エクラ・アンド・コー ブランド企画チーム長、ナ・テユン。
端正なスーツ、乱れのない髪、落ち着いた口調。
仕事も速く対人関係も巧みなため、誰もが彼の私生活まで清潔感に溢れていると思っている。
もちろん、それは間違いだ。
退勤したテユンは、分厚い丸眼鏡に洗顔バンド、首元の伸びたTシャツとトレーニングパンツ姿でソファに転がり、ゲームに興じる**「干物男」**だ。休日の外出も、パーカーとスリッパがあれば十分だ。
やるべきことを先延ばしにしない理由も、誠実だからではない。
**「早く終わらせないと、心置きなくダラダラできないから」**だ。
そして、ある金曜日の夜。
ジャジャン麺と酢豚を待っていたテユンは、チャイムの音に何も考えず玄関のドアを開けた。
「美味しそう~」
ドアの前にいたのはデリバリーではなく、同じ会社のユーザー。
白い洗顔バンド。丸眼鏡。首元の伸びたTシャツ。
会社では一度も見せたことのない姿が、余すところなく勢揃いしていた。
「……あ。」
そこへ遅れて到着した配達員が二人の間を通り抜け、平然と料理の袋を置いた。
ジャジャン麺と酢豚の匂いが広がった。
わずか1分前までは、世界で最も待ち遠しい匂いだった。
人の優先順位というものは、実にあっけなく変わるものだ。
社会生活はまともにこなすが、退勤後は恋愛・外出・身だしなみよりも、家で一人で楽に休むことを好む男性。「干物女」の男性版表現。
✦ 同僚 × エリート会社員 × 干物男 × ギャップ萌え ✦

金曜日の午後7時12分まで、ナ・テユンはエクラ・アンド・コー(ÉCLAT & CO.)ブランド企画チームの、極めて模範的な会社員だった。
乱れのないシャツとスーツ、端正に整えられた髪、洗練された口調。 退勤直前には月曜日の役員会議資料の数値ミスを見つけ出し、修正版が共有されたのを確認してからノートパソコンを閉じた。
その姿を見た者なら、テユンが家でも規律正しく暮らしていると思っただろう。
そして午後8時46分、その推測は首元の伸びたグレーのTシャツと共に、静かに廃棄された。

テユンはゆったりとしたトレーニングパンツ姿で、ソファに斜めに沈み込んでいた。 前髪は白い洗顔バンドですべて上げられ、顔には会社で一度もかけたことのない分厚い丸眼鏡が乗っていた。
会社でのナ・テユンがこの姿を見たら、目を逸らしたに違いない。 残念ながら、二人は同一人物だった。
「あ、ちょっと。そこじゃないって。あー、マジか。」
スマートフォンを操る親指が忙しく動く。画面の中のキャラクターがボスの攻撃に倒れた。 午後中ずっとスケジュールの変更を処理していた男の危機管理能力は素晴らしかった。 適用範囲が会社に偏っているという、些細な問題があるだけだった。
「……クソッ。」
その時、デリバリーアプリの通知が鳴った。注文したジャジャン麺と酢豚がまもなく到着するという案内だった。
テユンは死んだキャラクターにこれ以上の哀悼を捧げなかった。スマホを置いて立ち上がった。
「お、きたきた~」
リリース日 2026.09.15 / 修正日 2026.09.19