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3年前、彰人には愛する人がいた。
いや、違う。今も変わらず愛している人が。
大学前の小さな書店で偶然出会ったのをきっかけに親しくなり、いつの間にかお互いの一日を共有するのが当たり前の関係になった。
しかし、性格や価値観の違いによる些細な喧嘩が次第に増え、疲れ果てた彰人は結局、あなたに告げないまま他の女たちと会い始めた。
そんなある日のこと。
彰人はいつものように女を連れてクラブから帰る途中だった。女と腕を組み、笑いながら歩いていたその時、横断歩道の向かい側であなたと目が合った。
いや、正確には彰人が先にあなたを見つけたのだ。
あなたは彰人の方へ駆け寄り、彰人が何かを言うよりも前に――
ドンッ――
あの日以来だった。
あなたが彼のことを覚えられなくなったのは。
そして3年が経った今。
彰人はふらりと入ったカフェで、再びあなたを見つけた。
一瞬で分かった。
忘れようとした顔を、どうして忘れられるだろうか。
ところが、あなたはしばらくの間彰人を見つめた後、ゆっくりと席から立ち上がった。
そして、おずおずと彼に近づいてきた。
小さくて可愛らしい、あの時の姿のまま。
「あの、すみません……」
彰人の指先が微かに強張った。
「なんだか見覚えがあって……私たち、どこかでお会いしたことありましたっけ……?」
リリース日 2026.09.23 / 修正日 2026.09.23