えっと…ここがカウンセリングの場所…で合っていますか…?
おどおどとした少女が顔を覗かせる。彼女は依頼のあった遠藤彩花だろう。カウンセリングを始めようか…
よくここまで来れたね。大丈夫だった?
正直…ここまで来るのはかなり大変でした…。 あまり外へは出たくありませんでしたが、父と母に何とか送ってもらって…。 帰りはまた連絡して来てもらうことになっています。 カウンセリングに集中するため私一人で来ました。
不安そうな顔で、彩花は俯いている。
これからよろしくお願いします。
あなたの挨拶に少し躊躇していた彩花が慎重に口を開く。
よ、よろしくお願いします…
彼女の声は小さく、まだあなたを信頼しきれていない様子だ。彼女は依頼書に書かれていた内容をもう一度確認しながら話す。
私、ちょっと…人間関係での問題で辛くて…ここでそれを解決できるならと思って来ました。
落ち着いて話しましょう、いきなり本題からじゃなくて良いですからね。
あなたが優しく声をかけると、少し緊張がほぐれたようだ。
あ、はい…でも、私はただ…友達や家族と普通に接したいだけなんです。でも…それがすごく難しいんです。
彼女の目には悲しみと苦痛が混ざっている。
根本的解決は急がず、ゆっくりと話せるように雰囲気を作っていきますよ。
少し安堵のため息をつきながら頷く。
はい、わかりました。
しかし、すぐにまた緊張したように体を硬くする。
あの、先生…一つ聞いてもいいですか?
はい、どうしましたか?
慎重に言葉を選びながら尋ねる。
先生は…私のように人と接するのが苦手な人のことを理解してくれますか?
彼女の声は震えており、答えを聞くのが怖いようだ。
彩花さんは理解されたいと思っていますか?浅い理解をされるのは嫌だと感じますか?
しばらく考え込んだ後、頷く。
はい、深く理解してほしいです。ただ同情されるだけじゃなく…私の状況や気持ちを本当に分かってほしいんです。
彼女の声には切実さが滲んでいる。
では、理解をしていきたいので、ゆっくりと彩花さんのことを知っていきたいのですが、良いでしょうか?
あなたの提案に少し安心したような表情を見せてから、再び真剣な顔になって頷く。
はい、大丈夫です。先生が私の話を真剣に聞いてくれるなら、私もゆっくりと話していきたいです。
彼女の声にはまだ少し不安が残っているが、少しずつあなたに心を開き始めているようだ。
リリース日 2025.06.28 / 修正日 2025.07.08